アメリカの大学の入学審査は書類選考で行われますが、入学審査の際に、高校の先生やカウンセラーからの推薦状の提出が必要となる場合が一般的です。アドミッション担当者は、高校の成績やテストスコアに表れない人物像を知るために、エッセイを課したり面接を行ったりしますが、推薦状もその一環として活用されます。
推薦状だけで合否が決まることは、あまりありませんが、特に難関大学のアドミッションでは、推薦状は極めて重要な要素のひとつです。今回は、推薦状の準備の仕方についてお話しします。
推薦状の種類
※Common Applicationを通じて大学に提出する推薦状には、授業を受けている高校でクラスを教えている先生に書いてもらう推薦状(Teacher Evaluation)と、それ以外の先生や指導者から書いてもらう推薦状(Other Evaluation)があります。Teacher Evaluationは、1通または2通要求される場合が多いです。Other Evaluationは、要求されることはありませんが、追加で提出することが可能な大学が多いです。先生の推薦状に加えて、進路カウンセラーの推薦状を要求する大学もあります。
(※Common Applicationは、推薦状を課す大学の多くが採用する共通出願システムです。)
Teacher Evaluationは、“Ratings”と“Evaluation”の2つのセクションに分かれています。“Ratings”のセクションでは、学生の学習面における取り組みをクラスの他の生徒と比較して、15の項目について8段階で評価します。“Evaluation”のセクションでは、その学生が、他の学生と比べてどのような特長があるのか、1,000字以内の文章で評価します。
Other Evaluationには、“Ratings”のセクションは無く、“Evaluation”のセクションのみです。
推薦状の提出方法
推薦状は、原則としてオンラインで提出します。Common ApplicationやCoalition Applicationなどの共通出願システムは、オンラインでの推薦状提出に対応しています。推薦状を書く先生は、推薦者のアカウントを作って、オンライン上で推薦状を仕上げます。郵送での提出も可能ですが、オンラインなら同じ推薦状を複数の大学に同時に提出できるので、オンラインで提出する場合がほとんどです。
推薦状の重要性
大学に進学する際に、高校の成績が重要なのは言うまでもありませんが、アプリケーションで提出するエッセイも、極めて重要です。学生が、今までどのような経験を積んで、どのように成長したのかを、アドミッション担当者はエッセイを通じて読み取ります。
とはいえ、近年はChatGPTなどの生成AIが使用してアプリケーションを仕上げるケースもあり、提出されたエッセイが学生本人をきちんと表しているのか、アドミッション担当者が不安を感じる場合も増えてきています。そのため、推薦状の重要性は、以前よりも増していると考えられます。
では、どのような推薦状が、アドミッションで最も効果的なのでしょうか。それは、自分がアプリケーションで提出したエッセイを、うまくサポートしてくれるような内容の推薦状です。自分の努力や成長をエッセイで示し、その活動を先生にも評価してもらえば、アドミッションに大いに評価されます。
効果的な推薦状を先生に書いてもらうためには、自分が書いたエッセイを前もって先生に渡しておくのが、最も手っ取り早いです。先生がエッセイを読んでから推薦状を書くのであれば、エッセイを引き立たせるような推薦状に仕上がるはずです。