2026.1.10 進路指導

Common App に生徒が入力する内容 (その1)

森 成業 写真
海外大学進学研究会コンサルタント森 成業Seigyo Mori

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My Common Application

前回のコラムにも書きましたが、海外進学専任教員は「コモン・アプリケーション」(Common Application; 以下 Common App) の生徒用アカウントとカウンセラー用アカウントの両方を作成し、生徒の高校生活の早い段階から各項目の入力についての指導を行うことをお勧めします。高校生は「新入生」(First-year student) としてアカウント作成やサインインを行いますが、このコラムでは First-year student としての生徒用アカウント内の入力内容についてご紹介します。なお、英語を読めばすぐに分かる内容については省略します。

生徒用アカウントに入力する内容は My Common Application (出願に関する全大学共通の入力内容) と My colleges (大学別の入力内容) の2項目から成ります。My Common Application のは以下の入力内容があります。

1) Profile > Geography and Nationality

● Do you intend to apply for a new or different U.S. Visa?

アメリカ国籍やグリーンカードを所持していない日本の高校生は F-1ビザという学生ビザを取得した後にアメリカに入国する必要があるので、この F-1 ビザを「申請する意図があるか」という質問に対しては Yes を選択します。

2)  Profile > Common App Fee Waiver

● Do you meet one or more of the Common App fee waiver eligibility criteria?

アメリカの大学には出願料を取らない大学も一部ありますが、出願料は一般的に$50から$100の間で設定されています。経済的に理由により出願料の支払いが困難な家庭は、出願料の免除を申請することが出来ます。これを application fee waiver と言い、この欄は common app を通して各大学の出願料免除を申請するかどうかを選択する欄です。但し、これは申請すれば誰もが出願料を免除されるものではなく、出願料免除の判断は (common app ではなく) 大学が行います。ここで生徒が Yes を選択し、署名 (Fee Waiver signature) 欄に名前を入力すると、カウンセラーのアカウントに Fee waiver の項目が現れ、その中に生徒の経済状況を傍証する内容を入力する欄が出てきます。日本の高校生でも Common App Fee Waiver を申請することは可能ですが、申請基準はアメリカの高校生を念頭に置いたものしか記載されていません。

● Would you like to connect with a UStrive mentor?

UStrive は低所得者層の支援を前提とした、訓練を受けたボランティアのメンターによるアプライ等の無料オンライン支援サービスで、Common App とは別の組織によって運営されています日本の高校生も利用可能ですし、サービスを受けるために家庭の所得を証明する必要もありませんが、これはすべて英語によるサービスです。この UStrive の「メンターと繋がりたいか」という欄で No を選択しても、アプライの上で何ら不利になることはありません。

3) Education > Grades

● Graduating class size (approx.)

この欄は class と書かれているので紛らわしいのですが、これは高校での最終学年全体の生徒数を入力する欄です。高3学年生徒の転学・退学も時には起こりますが、approx(imately) とあるように概算なので、生徒異動の度に数値を更新する必要はありません。

● Class rank reporting

これは学年全体の席次の欄です。コース制を敷いている高校では学年の席次が出ないので、この項目は None を選択します。席次が出る高校では Exact を選択し、生徒の席次を入力します。日本の高校ではふつう学期毎乃至は1年間の席次を出すのがふつうですが、高校3年生1学期の席次を入力すれば問題ありません。学年の席次しか出ない場合は、高校2年修了時の席次を入力します。

● GPA Scale reporting

GPA とは評定平均のことですが、GPA Scale reporting とは、学校が何段階に分けて成績証明書を出しているかを選択します。日本の高校は5段階評定なので「5」を選択します。

● Cumulative GPA

入力欄に Cumurative (通算) とあるように、ここには通算の評定平均を入力します。一部の学校では1学期や2学期は10段階評価や評価点などで成績を出し、学年全体の成績のみを5段階評定で出している場合がありますが、この場合は高校が発行する成績証明書と内容が一致するよう、2年生修了時の成績を入力します。後のコラムでも書きますが、カウンセラーは生徒の最新の成績証明書をPDFファイルなどで提出する必要があります。

● GPA weighting

これは評定平均を出す際に、特定科目の評定を1.2倍するなどの加重評価をして算出しているかを聞いている欄です。日本の高校における評定平均は「各科目の評定の合計数を各教科の評定数で除した数値(小数点以下第2位を四捨五入)なので、ここでは Unweighted (加重なし) を選択します。

4) Education > Current or Most Recent Year Courses

● Please list all courses you are taking this academic year.

これには高3学年の科目を入力しますが、ここに科目の「レベル」(level) を選択する欄があります。日本の高校の一般的な授業の入力では Regular/Standard (普通/標準) を選択します。

ここには honors という選択肢がありますが、これは honors course (または honors class) と言い「上級選抜科目」くらいの意味です。この honors course にあたる科目が校に存在することは成績証明書で確認できなくてはなりませんが、何を以って上級選抜クラスとするかは完全に高校の制度次第です。このように Common App は honors course に該当する内容に柔軟性があります。

但し、この柔軟性が他の出願システムにも当てはまるとは限りません。カリフォルニア大学へのアプライでは Common App ではなく UC Application というシステムを用いますが、UC Application で honors course として入力出来る科目名は明確に定められています

5) Education > Honors

● Do you wish to report any honors related to your academic achievements beginning with the ninth grade or international equivalent?

プロンプトに academic achievements (学術的な功績) とあるように、この honors の欄には学業に関してアピールできる内容、具体的には全国レベルでの数学・国語など各コンテストでの入賞歴や、校内の学業に関する特待生であること等を5つまで入力できます。しかし、honors に入力できるのはこれだけではなく、校内の honors clsses (上級選抜クラス) の科目も入力することができます。この場合、honors は上で述べた科目のレベルと、この項目の両方に表れることになります。

6) Education > Community-Based Organizations

アプライ準備に際して、非営利団体や政府資金による団体から無料で出願戦略やエッセイ作成などの個別・継続的な指導を受けている場合は、その団体の数と概要を入力します。ここでは塾などの有料サービスは該当しません。また、この項目での入力内容は、出願者の背景と置かれてきた環境を理解するために用いられるので、無料で継続的な支援を受けてきた場合に入力するのが妥当でしょう。

7) Testing > Tests Taken

● International applicants: Is promotion within your educational system based upon standard leaving examinations given at the end of lower and/or senior secondary school by a state or national leaving examinations board? (Students studying in the US typically answer no to this question.)

この欄はイギリスの A-level やアビトゥーア (Abitur) やフランスのバカロレア (Baccalauréat) のような大学にアプライするための資格試験が生徒の国で実施されているかを問うています。日本の大学入学資格は「高等学校又は中等教育学校を卒業」すれば自動的に発生するので、ここでは No を選択します。

8) Courses & Grades

これは9年生、つまり中学3年生からの科目と評定を自己申告する欄ですが、大学にはこの自己申告を要求する校としない校があり、アプライする大学が自己申告を義務付けていない校だけであれば、ここには入力する欄が現れません。なお、アメリカの高校は9年生から始まるので、9年生つまり中学3年生の成績も入力しないと入力完了のチェックマークが付きません。

自己申告を要求する大学の中には Common App ではなく STARS (Self-reported Transcript and Academic Record System) というプラットフォームを用いた自己申告を求めている大学があり、その数は (Common Appと重複している University of Oregon と University of Minnesota Twin Cities を含めて) 40校近くあるので、注意が必要です。

このコラムでは My Common Application の入力項目について解説しました。次のコラムでは、大学別の入力内容である My colleges について解説します。