2026.1.28 進路指導

Common App に生徒が入力する内容 (その2)

森 成業 写真
海外大学進学研究会コンサルタント森 成業Seigyo Mori

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前回のコラムでは Common Application (以下 Common App) によるアプライのうち、全ての大学に共通する My Common Application の入力内容についてご紹介しました。今回は、大学別の入力内容である My colleges についてご紹介します。このコラムも、英語を読めばすぐに分かる内容については省略します。

College search

My colleges に各項目を入力する前に、アプライする大学を College search で検索して登録します。College search へのリンクはホーム画面左にあり、クリックすると検索エンジンが現れます。ここに大学名等を入力すると大学名の候補が表示されるので、アプライする大学を選択し、+Add と書いてあるアイコンをクリックすれば登録されます。この後 My colleges のページを見ると Overview (登録した大学の一覧) と各大学別の入力情報が画面左側で確認できます。

My colleges

College information > Application information

登録した大学の名前をクリックすると、College information のページが開き、同時に画面左側には入力すべき項目の一覧が表示されます。College information のページには、Early Action (併願可の早期出願) の締切日などが表示され、更に Application information の項目には Application fees (出願料) など、その大学へのアプライに関する情報が現れますが、この中に Test Policy Information (標準学力テストに関する方針) へのリンクがあります。これは、大学が SAT® のような標準学力テストのスコア提出を義務付けているかどうかを説明しているページで、各大学のホームページから調べようとしても見つけにくいことが多い情報です。また、前回のコラムでご紹介した成績の自己申告についても、それを (Common App ではなく) Self-reported Transcript and Academic Record System (STARS) を通して申告すべきかどうかが、この Additional information の欄に記載されています。

College information > Writing requirements

この項目には My Common Application で入力した Personal Essay を大学が見るのか見ないのか、大学独自のエッセー入力欄があるのかないのか等、エッセーに関する概要が書かれています。ここで、大学によっては Writing Supplement というタイトルの下に This college does not use a writing supplement for any additional writing requirements という表記がありますが、これはその大学が Common App 上では Writing Supplement という項目を設定していないという、つまり Common App と大学側の事情を反映した表示に過ぎず、エッセーを入力する欄がないという意味ではありません。アプライする生徒にとって、この表記に意味はありません。

大学個別のエッセーを入力する欄の呼び名は大学によって違います。2026年の場合、スタンフォード大学 (Stanford University) では Short Essays という項目になっており、ミシガン大学 (University of Michigan) では Writing という項目になっています。

APPLICATION > Recommenders and FERPA

● FERPA Release Authorization

FERPA (Family Educational Rights and Privacy Act) とは教育分野に特化したアメリカの個人情報保護法で、教育機関が保有する教育記録(Education Records)について、生徒本人に閲覧請求権を与え、併せて第三者への無断開示を制限する義務を教育機関に課す法律です。Common App を通じた大学出願の文脈では、FERPA は高校 (カウンセラーや教員) が大学に提出する成績証明書や推薦状等の各種書類に対して適用されます。

この FERPA を根拠に、生徒は出願に関連して提出される教育記録、特に推薦状について、大学に対して入学後に閲覧を請求できます。Common App に表示される FERPA Waiver の項目は、その権利を放棄するかどうかを生徒が事前に表明するためのものですが、ここで do not waive (放棄しない) を選択した場合、推薦状が将来本人に開示され得る、すなわち confidential (秘匿) ではない可能性があると大学側に認識され、推薦状の評価において信頼性が相対的に低く見られるおそれがあります。このため、実務上は waive (放棄する) を選択するのが一般的です。

しかし、この waiver は大学に対する法的な閲覧請求権を放棄するものに過ぎず、高校での進路指導や面談の場において、カウンセラーが推薦状の内容を本人や保護者と共有することを法的に禁止するものではありません。進路指導の実務においては、推薦状の内容等を生徒・保護者と共有し、合格に向けた戦略を一緒に検討することは、FERPA に反するものではなく、教育的観点からも十分に合理的です。

● Invite recommenders

この欄では、大学の求めに応じて推薦者を登録します。推薦者の内訳は大学によって異なりますが、どの大学にアプライする場合でも、生徒はカウンセラー (counselor) を招待しなくてはなりません。カウンセラーは日本の高校にない制度ですが、敢えて日本の高校になぞらえるのならば「授業を持たない担任」となるでしょう。Common App におけるカウンセラーの役割は、学校情報、特に教務関連情報の入力、各生徒の英文成績証明書のアップロード、推薦状の作成 (必須ではないとしている大学も沢山ありますが、カウンセラーによる推薦状は是非書くべきです) などに加え、各生徒のアプライ状況の追跡も校務に含まれます。

以上2回のコラムに分けて Common App に生徒が入力する内容をご紹介しました。このように、Common App への入力は決して簡単ではありませんが、その一方で、高校入学後すぐに入力出来る内容もあります。高校の早い段階から Common App の入力指導を行うことは、生徒に海外大学へのアプライ方法の現実を教えることによって生徒のモチベーションを維持する一助となり得ます。次回のコラムではカウンセラーが入力する内容についてご紹介します。